私がマンション賃貸をしていた数年間は、不動産所得の確定申告をしていた。この間に青色申告の事業主としての体験を通して社会勉強ができたのは有益だった。もう売却をしたので、再度事業主になることは多分ないだろう。賃貸時の表面利回りは、10%だったから好条件の物件だった。それほど冗長な事業をしていたわけではなく、この間の経費を除いた不動産所得は、6年間で約120万円。しかし、売りに出すためのリフォーム代は30万円以上したことと、この6年間での売相場価格は100万円以上下落していたので相応の価格設定にした2つで、マイナス額計は約130万円超。その部分にだけ注目しても、収支はマイナスとなる。世の中で甘いおいしい話には、なかなか遭遇しない。

 
証券会社などでしばしば言われる株市場はロサムではないという(彼らに都合の良い)ロジックは次のようなものだ。市場全体の株価が上がれば時価総額が増え、増えた分だけ価値が生じる。上昇トレンドでは、時価総額のパイが増えた分だけ全員が得をする。株に投資するということ自体、株価が上がる前提で投資をしているのである。一方、下降トレンドでは時価総額が減った分だけ全員が損をする。景気のサイクルを含めて人生と同じで、山あり谷ありと考えると、結果的にはゼロサムに至るのではないか。金銭的面でも、個々人ではなく国あるいは地球規模で全体を合算し、人類全体でトータルはゼロで辻褄があっているとするならば、良くできた話だ。
もちろん一人ひとりをミクロで見ると、得する人もいれば損した人もいる。個々の各自に即した回答にはならない。損失した人にとっては(納得はできないだろうが)、マクロな全体からすると誤差の範囲、あるいは特殊な例外と片付けられてしまう推測統計学のマジックで、前記の結論には何ら影響しない。
 
一人ひとりが、いくら懸命にあがいても、所詮はお釈迦様の手のひらの中、見えざる手によつて支配されているのかなとも思う。私達は本当に微力な存在だ。(自分が幸福にも不幸になり得る)その仕組みを世の多数の人が消極的にであれ支持し、それで回っている社会ならば、それで良しとしようか。
 
*** 白のバーベナ

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